対象と方法、研究期間
対象:先天性中枢性甲状腺機能低下症の定義
- 視床下部性または下垂体性の甲状腺機能低下症
- 脳腫瘍や頭部外傷など、明らかに後天性の原因があるものを除く。
- 他の下垂体性ホルモン分泌不全の合併の有無は問わない。
- 負荷試験等が行われていなくても、甲状腺ホルモン値に比して、TSH値が不相応に低値であればよい。
- 早産、低出生体重児の低(F)T4血症は除く。
以上すべてを満たすものを、先天性中枢性甲状腺機能低下症とする。したがって、口蓋裂に伴う汎下垂体機能低下症や、septo-optic dysplasiaも含まれる。
方法
本症の診療にあたる可能性が高い全国の小児内分泌科専門医(小児内分泌学会評議員)を対象として疫学調査を行い、本症の診療状況と臨床像を明らかにする。一次調査として、日本小児内分泌学会と連携し、小児内分泌学会評議員へ、疑診例を含む症例の調査をE-mailで依頼する。その後、二次調査として、一次調査で患者ありと報告した施設に二次調査票を送付し、詳細な臨床情報を収集する。
このアンケート調査は全国の施設に所属する医師に依頼する観察研究であり、診療状況の把握を目的とするため、目標症例数の設定はない。
二次調査項目
- 患者背景
- 中枢性甲状腺機能低下症の診断の端緒
- マススクリーニング情報
- 初診時の症状
- 甲状腺機能に関する情報
- 甲状腺以外の内分泌機能に関する情報
- 画像検査の情報
- 合併症および精神運動発達に関する情報
- 転帰
上記に内容につき、アンケート調査を行う。
研究期間
研究開始後(倫理委員会承認後)、二次調査を行う予定である。
2015/7/22~2016/3/31を予定している。