IMPE2027特別企画

IMPE2027特別企画:リレー国際学会参加記

 IMPE2027(the 12th International Meeting of Pediatric Endocrinology)が2027年9月23日(木)~26日(日)に横浜で開催されます。
 日本小児内分泌学会の皆さまを始めとして多くの方に参加いただけるよう国際学会に参加する魅力を発信するため本企画を開始することになりました。
 最近、国際学会に参加された学会員の先生方に参加記をご寄稿いただき、リレー形式でお伝えします。国際学会の雰囲気をぜひ感じていただき、IMPE2027に参加するだけでなく、発表もしてみようと思っていただければと存じます。

IMPE2027会長:難波範行
渉外担当委員会委員長:鹿島田 健一
広報委員会委員長:松井克之
広報委員会IMPE2027特別企画担当:田川晃司

ICE2026参加記

ICE参加記――国際交流は、隣の席から

2026年6月2~6日、国立京都国際会館で開催された第22回国際内分泌学会議・第99回日本内分泌学会学術総会に参加しました。折しも台風6号が日本列島を縦断中で、京都には学会初日から2日目にかけて最接近するとの予報が出ていました。2日目の朝に口演を控えていたため、交通機関への影響を心配し、予定を早めて初日に現地入りすることにしました。

今回は日本内分泌学会創設100周年の記念大会であり、秋篠宮皇嗣同妃両殿下がご臨席になることから、開会式会場は厳重な警備と荷物検査による物々しい雰囲気に包まれていました。台風の影響が懸念されるなかでも、会場には海外から大勢の参加者が集い、あちらこちらで英語の会話が飛び交っています。一方、知り合いの姿はなかなか見つからず、「日本にいるのに」と少し心細くなりました。広い開会式会場の中央後方にそっと座り、「せっかくなので、開会式の英語でリスニングの練習でもしよう」と考えていた、そのときです。

隣の男性から突然、英語で話しかけられました。予想外の“英会話実践問題”に緊張しながら名刺を交換し、台湾から参加された王威傑先生、通称Edy先生との会話が始まります。Edy先生はとても分かりやすい英語で話しかけてくださり、私のたどたどしい言葉もうまく拾ってくださいました。おかげで会話は思いのほか弾み、気づけば開会式そっちのけで話し込んでいたほどです。

開会式後には、台湾内分泌学会の先生方と懇親会をご一緒しました。そこで初めて知ったのが、Edy先生が同学会の事務局長であるということです。さらに理事長にもご紹介いただき、その日の台湾内分泌学会メンバーの夕食会にもお招きいただくことになりました。しかし、一人で参加するには少し勇気が足りず、難波先生、菊池先生をはじめとする日本小児内分泌学会の先生方にもお声がけしたところ、思いがけず両学会の交流会が実現しました。

食事の席では、台湾の医療事情や成人移行、日本との内分泌診療の違いから、互いの国の観光や国際学会の話まで、話題が尽きませんでした。お酒も入り、ワイワイとした、とてもにぎやかな会となりました。翌朝には成人内分泌の専門であるEdy先生が、わざわざ小児内分泌セッションの私の口演を聞きに来てくださり、質問までしてくださいました。その後も、台湾内分泌学会メンバーと会場ですれ違うたびに挨拶や会話を交わすようになり、わずか数日のうちに日本と台湾の内分泌学会がぐっと近くなったように感じられました。

国際学会の魅力は、最先端の知見に触れることだけではありません。隣の席からかけられた何気ない一言が、思いがけない交流につながることもあります。参加前に感じていた国際学会への高いハードルはいつの間にか消え、振り返れば、とても新鮮で楽しい思い出になっています。

来年度の第12回国際小児内分泌学会・第60回日本小児内分泌学会学術集会では、皆さんの隣にも素敵な出会いが待っているかもしれません。少しだけ勇気を出して、国際学会ならではの出会いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

浜松医科大学 小児科学講座 池田麻衣子

英語にひるまず、世界をのぞきに行こう――ICE2026参加記

2026年6月、京都で開催されたICE2026/JES2026に参加しました。私にとって初めての国際学会です。

国際学会と聞くと、「英語で質問されたらどうしよう」「自分の研究を出して大丈夫だろうか」と、少し身構えてしまうかもしれません。私も今回、Prader-Willi症候群に関する研究をポスター発表しましたが、華麗に英語を操って世界の研究者と渡り合った、とはとても言えません。それでも、自分の研究を国際学会の場に持ち出してみると、いつもの学会とは少し違う景色が見えました。

小児内分泌のセッションでは約10演題を聴講しました。世界各地の研究者が、同じ疾患や臨床上の疑問について、それぞれの視点から議論している。普段、自分たちが診療や研究のなかで考えていることが、世界のさまざまな場所でも検討されていることを実感し、大きな刺激を受けました。普段から研究でお世話になっている先生が優秀ポスター賞を受賞されたことも、うれしい出来事でした。身近な先生の研究が世界の舞台で評価されるのを見ると、国際学会が急に遠い世界ではなくなります。

日本内分泌学会100周年記念セレモニーでは、日本の内分泌学の発展の歴史や多くの女性研究者が第一線で活躍する姿も印象的でした。キャリアの積み重ね方に決まった形はなく、臨床をしながら研究を続け、世界に発信していく道もあるのだと、改めて感じました。

国際学会は、英語が完璧になってから行く場所ではありません。指導医から「これ、発表してみたら?」と言われても、自分にはまだ早いのではと気後れするかもしれません。それでも、「ちょっとやってみようかな」くらいの気持ちで、まず演題を出してみる。採択されたら、その後のことは採択されてから考える。それくらいでよいのだと思います。

そして不思議なもので、「国際学会に出します」となると、指導医の先生たちの力の入り方も少し違ってきます。抄録や発表資料をいつも以上に熱心に見てもらえたり、思いがけない先生が相談に乗ってくださったりすることもあります。自分一人で世界に挑む、というほど大げさなものではありません。周囲を巻き込みながら準備していく過程も、国際学会に参加する面白さの一つです。

2027年にはIMPEが横浜で開催されます。海外に出かけるよりも、ずっと低いハードルで国際学会を経験できる機会です。「いつか参加してみたい」と思っている若手の先生こそ、その「いつか」を横浜にしてみませんか。まずは参加するだけでもよい。でも、できれば演題を一つ持って。思い切って一歩踏み出せば、国際学会は案外、手の届くところにあります。

大阪母子医療センター 消化器・内分泌科 和田珠希

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